銀河最終便
WEB日記

  木は空洞に        『玲瓏』 99号                 

  木は空洞に      

    

          

翡翠色の蛙、雨上がりの光、きらめく水滴、まだ正午前

 

井戸のある商店街っていいよね 荻窪、井戸のある散歩道

 

ぞうさんの赤い如雨露で水遊び 二歳の春に降る光あり

 

湾岸の春の水尾ひく船影に手を振っている人のいる桟橋

 

満月の夜の温泉、月煌々 薔薇風呂に薔薇浮かべるテルメ

 

かりそめに生きている気もしないでもない 紫紺の尾根に沈む陽見れば

 

陽が燦々、光燦々降る島の春がきらめく大橋渡る

 

東京の空を我が物顔で飛ぶプロペラを持った重い輸送機 

 

ニヒリズムと美意識が合体すると死に至る 西部邁さんの自裁も

 

空しきは空しきままに生きていよ 木は空洞に風を入れつつ

 

 

                  『玲瓏』99号 2019年2月28日発行

: 『「玲瓏」他歌誌提出自作品』 : - : - : posted by 風間祥  :
CS衛星劇場で「暖簾」を観た。なんという贅沢な配役。森繁久弥、山田五十鈴、乙羽信子。                 

 

 

そして監督が、川島雄三。

 

贅沢な、映画の醍醐味を味わった。

今の俳優もいいけれど、

この頃の俳優の上手さったら、

何て言っていいか。

 

白黒なのに、全然古い感じがしない。

テンポよく飽きさせず、

グングン引き込んで行く。

 

浪花千栄子や、中村鴈治郎。

ちょっとした役だけれど、

扇千景や中村メイコも出ていた。

鴈治郎と言えば、『越前竹人形』にも、

京マチ子と若尾文子の『浮草物語』にも出ていたね。

 

あの頃の映画によく出ていた山茶花究。

本家の二代目の役をしているが、

同じ森繁久弥の『夫婦善哉』でも、

山茶花究は長男の代わりに跡を取った妹婿の役をしていた。

: 『映画・演劇(宝塚)・TV・コンサート』 : - : - : posted by 風間祥  :
ミュージカル『ブラック・メリーポピンズ』が始まった。/CS                  

 

私が観たときは、初演の音月桂さんがアンナだったけれど、

今日、CSで放送のは、2016年の中川翔子さんが同役を演じている。

 

韓国製ミュージカルは、このミュージカルでメリーを演じた一路さんは、

同じころ、池袋の東京芸術劇場で公演された

「シャーロック・ホームズ/アンダーソン家の秘密」で

女性のシャーロック・ホームズを。

 

「ブラック・メリー・ポピンズ」

優しくて怖い心理スリラー。

メリーと四人の子供たち。

 

私は、音月桂さんのを、

もう一度観たいな。

お転婆で可愛くて、

歌が抜群に上手。

ほんとうに良い声だった。

悲劇の深さを伝える声。

: 『映画・演劇(宝塚)・TV・コンサート』 : - : - : posted by 風間祥  :
『レベッカ』/シアタークリエ                 

千秋楽の前日に観た。

 

涼風真世の透けるような白い肌。

黒一色の衣装。

 

大きな瞳が見つめているのは、

ただひたすらにレベッカのみ。

 

燃え落ちるマンダレイ。

炎の中に消えたのは、

ダンヴァース夫人でなく、

レベッカそのもののようだった。

 

涼風真世のダンヴァース夫人は、

映画のように、憧れ守り仕えるだけの、

自らは召使であるダンヴァース夫人ではなく、

一人二役のようなダンヴァース夫人。

美しく君臨した、しかし、死病を得て自殺するレベッカと同化するダンヴァース。

 

初演の時から現在まで、

声量も美貌も全く衰えることを知らないことに驚く。

奇蹟を見るようだ。

: 『映画・演劇(宝塚)・TV・コンサート』 : - : - : posted by 風間祥  :
ミュージカル「オン・ユア・フィート!」                 

久しぶりに、良いミュージカルを観た。

 

シアタークリエで、22日に観た、eプラスの貸し切り公演、

朝夏まなと主演の「オンユアフィート」。

 

初めは、激しい音楽に歌い踊る

元気がいいだけのお芝居かと思ったが、

後半、主人公が、

自動車事故で生死の境を彷徨うあたりから

(このあたりの舞台装置、美術も、とてもよい。)

シリアルな心理劇となり、

情感溢れる母娘、夫婦、芸術家同士の、

葛藤と和解の劇となる。

素晴らしく激しく、優しく、

心を打つミュージカルとなった。

 

朝夏まなとが、女優として一気に花開いたような活躍を見せ、

情熱的な歌姫をいかんなく演じ切る力強さが素晴らしい。

 

母親役を演じる一路真輝も、

カトリーヌ・ドヌーブを思わせるような知的で洗練された美しさと、

ほとばしる感情や複雑な心理を的確に表現する力を得て、

ほんとうに良い女優さんになったなぁと思わせる。

: 『映画・演劇(宝塚)・TV・コンサート』 : - : - : posted by 風間祥  :
晩年 / 『玲瓏』98号                 

 

 

 

・炎と蛾 火に入るときは死の時と知るや知らずや炎と遊ぶ

 

・災厄が身をつつむとき災厄は己自身と、炎となって

 

・あくまでも元気で生きていくばかり 濁り湯に花は今日も浮かんで

 

・薔薇色の海を見ていた日のX のちに来る日をまだ知らずして

 

 ・プログラム変更するも追いつかず花の乱あり風に散りゆく

 

・いずこにも希望の園は無きものを活発となる老健市場

 

・朦朧と夢から醒めて一葉の葉書の青はヒマラヤの芥子

 

・毎日が遺言であり遺書でありそのようにして人の晩年

 

・生け簀には尾ひれ千切れて泳ぐ魚 鰓のみでなお泳ぐ危うさ

 

・汚れて生き汚れて死ぬをさだめとし地蔵の首に朱の涎掛け

 

 

 

: 『「玲瓏」他歌誌提出自作品』 : - : - : posted by 風間祥  :
岩合さんのネコ                 

階段の途中で喧嘩、猫同士 カラフルに着色された石段

 

わーざわざ一番端っこまで行って匂いを確かめ甘えるそぶり

 

金色の石段もありここはどこ くんずほぐれつじゃれ合って猫

 

まっ白な生まれたばかりの猫であり突然眠りこんだりする子

 

その尻尾、ピーンと立てて三毛猫は籠の中からママの背中へ

 

姉妹の猫は玉蜀黍サイズ 干されているのが玉蜀黍です

 

痩せている おっぱいのまだ飲み方がわからないのか摺り寄るばかり

 

古い木の橋を渡ってジャンプして鶏の声する村に近づく

 

マレーシアの竹を生産する村の入口近く鶏の啼く村

 

狙っている栗鼠は木の上、猫もまた木に登る姿勢を保つ

 

キラキラキラ石が飛んで来る道の上 悠然と行く猫の目の前

 

空間の距離保たれてそののちにひとり影踏みながら出て行く

: 『日々の歌box』 : - : - : posted by 風間祥  :
岩合さんの猫のテレビを視ています。毎日視ている。毎日楽しい。                 

白い猫、

茶色い猫、

白黒の猫。

 

世界ネコ歩き。

 

猫識もあるよ。

 

子猫の登場。

白茶の三兄弟。

 

チチカカ湖。

段々畑の白い花、紫の花。

ジャガイモに花。

 

ここはペルーの村だから

機織り機ぶが糸車、

織物をするお婆さん。

邪魔をしている茶色の子猫。

 

遊んでいた子猫がいきなり寝てしまう。

仰向けになりそのまんま。

兄弟の猫でお休みなさい。

 

 

: 『日記』 : - : - : posted by 風間祥  :
辻邦生さんと水村美苗さんの『手紙、栞を添えて』の中の一節                 

水村美苗

「外国語で本を読むということの意味━━。

それを理解したのは、日本に戻り、

見渡す限りが日本語にうめつくされた中に

身をおいた時です。

日本語以外の言葉に接するということが、

いかに精神を癒してくれるか。

中略

かならずしも外国語である必要はない。

今ここに流通する言葉との距離さえあればいい。

古典でもいい(事実、荷風は江戸の人情本は読み続けている)。

もっとも根源的には、孤立した人間の言葉ならいいのです。

一九九七年一月十二日

 

 

辻邦生

「こうした言葉の氾濫は、

その中にいると、まったく感じられない。

その暴力性も、閉塞性も、一度日本の外に出てみると、

はじめて、目も口もふさがれ、

一億一心で同じことを言っていたのだと気づきます。

中略

一人で考え、感じていたと思っていても、

それは、集合的な日本人の心性・習性を

ただなぞっていたにすぎなかった━━

そう思ったとき、そのマユのようなものは

飛び散りました。」

一九九七年一月十九日

: 『時事』 : - : - : posted by 風間祥  :
新 花へんろ 〜風の昭和日記〜その一・その二、その三・その四 / BSプレミアムカフェ                 

今回は、新 花へんろ(1997年)

語りは、小沢昭一

スタジオキャスター 渡辺あゆみ

 

配役には、

西島秀俊

橋爪 功

佐藤友美

羽野晶紀

渡辺いっけい

塩見三省

國村隼

烏丸せつ子

などが加わる。

中江有里さんも

女優として参加している。

 

沢村貞子さんや、中条静夫さんや渥美清さんが、

この時までに亡くなられて、

語り手や配役に交代があったということだ。

 

 

桃井かおりさんの夫役も、

河原崎長一郎さんから

伊武雅人さんに代わっている。

 

早坂暁さんは、

東大医学部を蹴って、

日大芸術学部へ行って、

映画や脚本の世界へ入っていったわけだけど、

意志が強いね。

桃井かおりさんが演っている、

早坂さんのお母さんの子どもへの

理解の仕方が素敵だね。

 

そういえば、

10歳までは育たないと周囲に言われ、

4歳までは脚が立たなかった早坂さん。

その子を乳母車に乗せて、

お四国、八十八か所の旅に出て、

ただ一人成長を祈念し育てた母である人が、
わが子が従軍する時に、
生涯にただ一句詠んだ句。

 

・十五吾子の頬のごとくや春の月 

 

 

戦争が終わって、

海辺の町にも

何かしらの変化が。

 

戦前篇の方が、

花へんろ らしいんじゃないかな。

ずっと印象に残っていたのは

戦前篇。

戦後編は視ていない。

あったことも知らなかった。

今回の戦前篇を総集編で見せるというのは、

かなり風情が損なわれた。

じっくりと全部を、

いつか見せてもらいたい。

 

今回、総集編で流しているのは、
要するに、

新しく制作した『花へんろ特別編 春子の人形』

(8月4日、土曜日放送   出演 坂東龍太、芦田愛奈、)

のための番宣なんだろうな。

: 『映画・演劇(宝塚)・TV・コンサート』 : - : - : posted by 風間祥  :
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