映画『ルートヴィヒ』ルキノ・ヴィスコンティ / wowow  

主役のヘルムート・バーガーという人は知らないが、

画像で見るLudwig2世に、すごく良く似ている。

Ludwig2世が、愛し尊敬した従姉妹、オーストリアのエリザベート皇后役は、

ドイツ出身の女優ロミー・シュナイダー。

 

45年前の1972年の作品だから、知らない人の方が多いだろうが、

アラン・ドロンの恋人としても有名で、映画のオールドファンなら、

カトリーヌ・ドヌーヴやジャンヌ・モローと同じように、

親近感を持って観る女優の一人。

 

監督は、イタリアの貴族(本人は伯爵で、父親はイタリア有数の家系を継ぐモドローネ公爵。)

作品は、『異邦人』『ベニスに死す』『郵便配達は二度ベルを鳴らす』『家族の肖像』『山猫』など。

 

 

小津安二郎監督とは、また違った、細部が物語り、装飾が物語る、

こだわりの監督。

画面のどこもここも美しい。

何気ない庭園や馬のいる風景も。

自身の生き方が、無言の背景になっている。

多分、美しすぎる。息苦しいほど。

 

本物しか愛せないのは、幸福だったのか不幸だったのか。

そうしか生きられれないのが、その人固有の感性であり、

才能であったような。

 

その妥協の無さ、折り合いのつけられなさで、上を行っていたのが、

Ludwig2世だったのだろう。

気が狂ったと、廃王にされ、湖に沈められるまで。

 

そういえば、エリザベートの台詞。

「現実に立ち向かいなさい。

夢なんか捨てて。

君主は歴史とは無縁よ。

見せ物と同じ。

すぐに忘れられるわ。

暗殺でもされない限り。」

 

エリザベートも、スイスで、

ルキー二に暗殺された。

 

 

 

『ルートヴィヒ』は、復元完全版で、

4時間の大作。

 

欧州一美しいと言われた王であり、

また、その奔放で謎に満ちた生涯から、

狂王とも言われたバイエルン国王。

 

白鳥城を作り、ワーグナーに心酔し、

美意識の権化であり、良い意味でも悪い意味でも

この世に二人とない若き王。

 

 

祥  * 『映画・演劇(宝塚)・TV・コンサート』 * 12:20 * comments(0) * trackbacks(0)

『美女と野獣』実写版 

 

実は私は、昔から「美女と野獣」の

「朝の風景」から始まる古いカセットテープが好きで、

何度聴いたかわからない。

 

この映画は、

そのテープに入った世界を、

冒頭や前半で、驚くほど忠実に再現している。

後半のCGを活用した戦闘は別のものだが。

 

 

時間枠の延びた分、

追加された楽曲も違和感なく溶け込む。

 

そして、変奏を加えながら流れ、

エンドクレジットと共に流れる「時は永遠に」。

 

自由の無い愛などないと言うベル、

ベルを城から出す野獣。

途中でも、ラストの方でも、

野獣(ダン・スティーブンス)はベル(エマ・ワトソン)のために戦って傷つき倒れる。

横たわる野獣。

図書室の壁を埋め尽くす厖大な本。

野獣を避けていたベルが野獣に心を開くきっかけに。

 

時計にされた執事コグスワース(イアン・マッケラン)や、

燭台にされた給仕頭ルミエール(ユアン・マクレガー)

ルミエールの恋人で、純白の孔雀のような羽根箒にされたブリュメット(ググ・バサ=ロー)

 

ハープシコードに変えられたマエストロ、カデンツァ(スタンリー・トゥッチ)

その妻で、衣装箪笥に変えられたオペラ歌手、マダム・ド・ガルドローブ(オードラ・マクドナルド)

 

ティーポットに変えられた料理人、ポット夫人(エマ・トンプソン)

その、やんちゃ息子のティ―カップに変えられたチップ(ネイサン・マック)

 

いずれも大活躍の面々。

最後の、ガストンに城を襲われる戦争のような死闘では、大活躍を越えた大活躍。

 

ガストン(ルーク・エヴァンス)が、また異常に良い。

徹底的に悪でありながら魅力的。

声も姿も悪役はこうでなくては。

ハンサムで美声。

中味は凄く悪い奴。

死んでも同情の一瞥も貰えないような悪でありながら、

それゆえに、野獣やベルを引き立たせること極上の名演。

吹き替え版の、吉原光夫さんも素晴らしい。良い声だ。

(芸術劇場で観た「扉の向こう側」では、老人と若者を演じ分けていたが。)

 

その子分、ル・フウ(ジョシュ・ギャット)

寅さんに於ける寺男の源公(蛾次郎)のように

忠実な子分でありながら、気弱な反抗気分も持っている。

 

森に棲む貧しい謎めいた女性(ハティ・モラハン)(城に呪いをかけ、王子や城に住む人の姿を変えた魔女)

そして、ベルの父親、発明家のモーリス(ケヴィン・クライン)

 

ベルと野獣。

野獣の表情のリアルさ。

城や森のスケール感もまたCGの勝利。

 

全てが一流。

 

主演俳優も、助演俳優も、

原語版も、吹き替え版も、

両方必見だ。

吹き替え版もまた、

日本のミュージカル界を代表するような

素晴らしい人たちが出演しているから。

 

野獣 山崎育三郎

ベル 昆夏美

ガストン 吉原光夫 

ル・フウ 藤井隆

モーリス 村井國夫

ポット夫人 岩崎宏美

ブリュメット 島田歌穂

マダム・ド・ガルドローブ 濱田めぐみ

ルミエール 成河

ゴグスワース 小倉久寛

 

 

 

祥  * 『映画・演劇(宝塚)・TV・コンサート』 * 04:24 * comments(0) * trackbacks(0)

天国を歩いているような霧の中の列。そこはたぶん天国なのだろう「やすらぎの郷」があるとしたなら

(天国というか、三途の川を渡る列のようでもあり。)

 

現実には、どこにもないよ。

だからこそ、ドラマになっている。

 

懐かしい女優や俳優の若き日の写真が見られるのはいいけどね。

 

導入部を長く引っ張り過ぎて、

石坂浩二のナレーションが、

倉本聰さんのドラマだけれど

橋田壽賀子さんのドラマのようだ。

 

顔ぶれを眺めるだけのドラマでも別にいいんだけど、

懐かしい顔を見せたくて、また見たくて視ているのだから。

 

それにしても、展開が長すぎる。

このテンポが倉本さんはいいのかな。

私は、「北の国から」も好きではなかったから、

視ていないんだけど。

 

現在の社会やテレビ界、

番組の作り方に警鐘を鳴らす気持ちもあるんだろうけど、

逆に、今のテレビドラマの面白さに比して、

退屈感はぬぐえない。

これだけの顔ぶれを集めたのが自慢でもあり、

見せ場でもあるのだから、

小出しにせず、解説も要らないから、サービス満点に、

写真集の集大成的に、

毎日全員出演場面を作っていればいいのに。

そういう要求を持つ視聴者のことも批判的に描いているのだろうな。

 

 

この設定は、アガサクリスティーの客船や

列車に、有名女優、男優を閉じ込めたミステリーに似ている。

無料で贅沢な環境の老人ホーム。

若年者の実験や洗脳という学校というドラマはありがちだか

老人を囲い込んでも、死体も意味もなさそうだし、

わずかに残った財産を目当ての、オウム的な略取にしても。

何十年にも及ぶ、終末医療も無料となると、医学実験にしても

大したことはできそうもないし、

でも、怖い結末があるのかな。倉本さんだからそれはないのか。

 

当て書きで、それぞれの女優のイメージを生かして、

個性的な生き方、在り方、終末の迎え方を描きながら、

現代日本への倉本さんの怒りや提案を示していくなんていうのが、

オーソドックスな倉本ドラマのイメージかしら。

 

 

 

舞台劇にもしそう。

 

ナレーションなしのドラマにすればよかったのに。

 

 

 

テレ朝で、倉本聰さんと、橋本大二郎さんの、

麻布中学時代の先輩、後輩の対談は面白かった。

脚本家としての、真髄に触れるような話もあった。

だから期待してしまったのに、

今のところまだ面白くない。

何回から盛り上がって行くのだろう。

山登りのように、ゆっくりなのかな。

祥  * 『映画・演劇(宝塚)・TV・コンサート』 * 12:54 * comments(0) * trackbacks(0)

映画『ハルチカ』のCDを購った。

ずーっと、下手な演奏(そういう設定なので)ばかり続いて、

このまま終わりまで行っちゃうの?と思う最後の最後に、

やっと出て来た。部員をひやひやさせ続けたソロ部分を含む演奏。

(これも別に上手な演奏というわけじゃない。でも、映像が再現できる。)

勇気が出る。ほんと良い映画だった。

祥  * 『映画・演劇(宝塚)・TV・コンサート』 * 11:29 * comments(0) * trackbacks(0)

『ラ・ラ・ランド』と『話す犬を、放す』を観て来た。

ミュージカル映画と、ちょっとシリアスな映画。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ラ・ラ・ランド』は、

『セッション』以来2年を経過、

デイミアン・チャゼル監督の作ったミュージカル映画。

ということで、アカデミー賞も何部門も受賞し、

どんな映画だろうと思って出かけたが、

面白いところと、退屈で眠くなるところ半々。

 

ミュージカルだから、もちろん歌もダンスもあるのだけれど、

お芝居の延長的で、ミュージカル的高揚感はないし、

歌もダンスも突き抜けるほどではない。

まぁ、楽しく歌っているし踊っているという。

わざとそうしている感もある。

歌唱力やダンスの魅力そのものより何か別のものを伝えたいようだ。

 

ファンタジックな魅力もそこそこに取り入れながら、

不器用にぶつかりながら生き、この世にさざ波を立て、

夢見ることと、大人になることの狭間で揺れながら、

厄介な反抗者であり敗れても悔いず、

挑戦し続ける者たちへの呼びかけを、歌の中では歌うのだが、

実際は、どこで妥協したのか、大人になることの痛みを引き受けると共に、

単なる成功者になっているような。

それでも、どこかに、残っているのかな。夢見続ける心。抵抗する心。

それはとりもなおさずチャゼル監督の心。

 

最後は『シェルブールの雨傘』をなぞったような終わり方なんだけど、

もう一つの在り得たかもしれない人生を、

映像でもしっかり見せて、でもそれだけだから、

同じって言えば同じの上に、

シェルブール的余韻もないのは、

あれはあれでいいのかな。

 

 

ジャック・ドウミ監督の『シェルブールの雨傘』だけじゃなく、

『カサブランカ』が好きな女優志望のミアの部屋には、

大きな、イングリット・バーグマンのポスターが、

ミアの憧れを象徴する大きさで存在したり、

『理由なき反抗』の、グリフィス天文台でデートしたり、

チャゼル監督の、映画黄金期へのオマージュが

無限大と言いたい程に感じられて、

『ニューヨーク・ニューヨーク』や『巴里のアメリカ人』や、

『雨に唄えば』が2重写しになるような。

 

セブ(セバスチャン)にはジャズを熱く語らせ、ピアノも、

主役のライアン・ゴズリングに、自分で弾かせる。

ミアは、セーヌ河に飛び込んだ女優だった叔母の話をするが、

ミアが女優を志した理由は、歌詞にもあるように

「叔母と雪とセーヌ川」なのだが、

それは必然的に、ジャンヌ・モローの『突然炎のごとく』を想起させる。

オマージュはオマージュで、

今は今で、その今もまた、刻々と過去へと過ぎ去る。

 

叶えたい夢を実現したミア。

かつて撮影所のコーヒ−ショップで働きながら、

オーディションを受け続け、女優を目指していた頃、

そして、セバスチャンのいた頃と、

大女優になり、可愛い子供も出来、

どこかの誰かのお金持ちの妻になっている今と、

ミアはどちらが幸福なんだろう。

(映画設定上しょうがないのに、なんであんな

つまらない男と結婚するんだ。と突っ込んでいたり^^)

 

『シェルブールの雨傘』の、雪降るガソリンスタンドでの

束の間の再会だけですれ違っていく人生と、『ラ・ラ・ランド』の、

やはり成功したオーナーとなっているセブとミアの束の間の再会、

劇的なことは何もなく、ただ心の中だけで合体し別れる。

7分間の、もう一つの、ありえたかもしれないセブとミアの人生。

 

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祥  * 『映画・演劇(宝塚)・TV・コンサート』 * 18:09 * comments(0) * trackbacks(0)

映画『ハルチカ』Haruta&Chika

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

橋本環奈、佐藤勝利主演

 

廃部になりそうな吹奏楽部、たった一人部員集めに奔走するチカ。

再会した幼馴染のハルタを巻き込んで、一人ずつ部員を増やして、

ぶつかる問題を克服しながら、

コンクールに出場するまでに成長し、出場し、

そして、そこからの〜〜〜

そこからが、というべきか。

その展開が面白い。

 

『四月は君の嘘』の広瀬すずにしろ、

この映画の橋本環奈にしろ、

役の設定を超えるほど、

スクリーンの中で輝いている。

もうすぐ公開される広瀬すずさんの『チア☆ダン』も

予告編で流れていた。

 

 

祥  * 『映画・演劇(宝塚)・TV・コンサート』 * 01:02 * comments(0) * trackbacks(0)

昨日は「カルテット」が視られなかった。

ラストの方、

10分だけ視た。

時々、つけてみたけど、

まだ野球、まだ野球、

えんえんと野球で、

いつまでやってるの、

と、そのうち諦めて、

変えているうちに見損なった。

 

興味のない私にとっては、

番組の変更とか、

時間延長とか、

ほんと迷惑。

 

こんなこと言うと、

WBC、侍ジャパンのファンには

叱られそうだけど。

祥  * 『映画・演劇(宝塚)・TV・コンサート』 * 08:03 * comments(0) * trackbacks(0)

『君はどこにいるの』 /三越劇場

2月20日に観て来た。

 

TVドラマで以前、杉浦直樹さんが父親役で、

一路真輝さんが娘役で視たことがある。(「娘よ」)

その時、とてもよかったから、

舞台もどんなだろうと思って観た。

 

あからさまではないけれど、

日常から見た反戦映画や舞台というのがあるけれど、

この舞台もそんな感じだった。

 

祥  * 『映画・演劇(宝塚)・TV・コンサート』 * 10:43 * comments(0) * trackbacks(0)

AXNミステリー「ミス・マープル(ジョーン・ヒクソン版)、「シャーロック・ホームズの冒険」

今、やっているのは、「アガサ・クリスティーの謎解きゲーム」

映画を観に行きたいけれど、

今日は寒いし、土曜日だし、

TVを見ながら、確定申告の準備でもしようかな。

祥  * 『映画・演劇(宝塚)・TV・コンサート』 * 08:13 * comments(0) * trackbacks(0)

映画『湯を沸かすほどの熱い愛』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

熱かった。

ほんとに。

タイトル通り、

そう思うこと度々。

「好きな色は、情熱の赤」

そんな言葉通り熱い愛。

出演者も、監督も凄いね。

監督は、脚本も書いてる。

最後、怖かった。

 

 

『君の名は。』も、『この世界の片隅に』も、

時間が経つと印象が薄くなって、忘れるけれど、

この映画は、ずっと心に残って忘れない気がする。

 

 

祥  * 『映画・演劇(宝塚)・TV・コンサート』 * 04:55 * comments(0) * trackbacks(0)
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