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今年の歌

松井るみ その人の描く色彩と線の繊細さと大胆さ
最後には光の中へ消えてゆく光りとは闇の終点
原作を読んでみたいと思います 家出老人レフ・トルストイ
冒頭に、ラストに雪が、人工の雪降りづづく『アンナ・カレーニナ』
精神を病む人多い春真昼 異形の鬼の立つ交叉点
母親が捕らえられたという続報 以前にもあったね園児の母が
小さな子がまた刺されたというニュース 午前九時過ぎの滋賀県の事件
十分な捜索をされることもなく海底に 多分そのまま海の藻屑に
紅海に沈んだ船のそののちの数百人の行方不明者
この世のこと何事も思うようにはなりませぬ バオバブの種に水遣り
永遠の不死を願ったエジプトの眠るミイラの華奢な左手
クローンで復活することさえもある三千、四千年前の死を超え
国民のために開いてもらいたい天皇陵という古代への扉
皇室はおそれ多くもかしこくも触れてならない神聖家族?
許されることがあるなら唯一人、徳仁天皇の時代だろうか
「箸墓のもとに戦う」壬申の乱があり 卑弥呼の墓とも言われる箸墓のもとに
レプリカの剣を祀るそれもよし三種の神器というただ徴ゆえ
ラムセスやクフ王の墓、発掘し天皇陵はなぜ開かれない
不確かな歴史の闇にさす光 御陵に眠る古代史がある
古代史の解明のため国民の総意のもとに御陵を開く
天皇陵、とりわけ仁徳・応神陵 御陵を開ける時が来ている
午過ぎの懈怠だろうか春ゆえのだるさだろうか理由なく頭痛して
春の鬱 微熱とともにくるだるさ しばらく身体を休めましょうか
四字熟語「天真爛漫」「支離滅裂」「臥薪嘗胆」←最後の、それが運命
奪われぬためには奪うこともある宮廷女官チャングムの世界
「大奥」と「チャングムの誓い」の共通項 厨房から世界を覗く
追放も毒殺もある 政変とリンクしている宮廷のたたかい
そしてなお続く政争、新王朝 阻止し奪取し擁立もする
昔読んだ『貴族の階段』 舞台裏の駆け引き、策謀、政略、陰謀
宮内庁、官邸、東宮、弟宮邸、皇居もまじえてドラマがあった
故に血をもって尊しとなす考えをそろそろ考え直しませんか
万世一系と言っても、薄まった一系でありさらに薄まる一系である
素盞雄が出雲に至り出雲を支配して 追われた神は隠れ棲むなり
男神月読でもなく素盞雄でもなく女神天照大神であった理由は如何に
宇佐、隼人、菊池一族 神やどる青き洞窟、満ちて黄昏
天を分け地を分け争う原因の一つとしての血の哀しみよ
燭台を盗んだ男に声かける神父の歌の心しむ優しさ
それよりも明日の危険は年金の給付見直しだったりもする
使用済み核燃料や肉骨粉 身辺危険材料ばかり
御懐妊一色となる日本のマスコミであり国民であり
積雪のある日のニュース その雪のように寂しく聞く人もあれ
東京に今年二度目の雪が降り 多摩には少し積雪もあり
そしてまたマスコミ狂奏曲起こり これに乗じて忘却を願う人あり
望まれ願われ企まれて粛々と終わった一つの完全犯罪
超音波診断結果の発表は その日を迎えるまでないのでしょう
争乱の火種は尽きぬことといえ再び起こる壬申の乱
輪をかけて男系、女系、姦しく内閣、世論二分してゆく
秋篠の宮に男子が生まれたら 皇位継承のことは如何にと
演奏の途中で弦が切れるより悲惨なるものではないのでしょうか
この雪がしんしん積もりどこまでも町を埋めて降りつぐでしょう
ヒルズ族は額に汗することなく、と コメンテーターと称する人が
「誤解を怖れずに言えば」という前置きはどういうわけか省略されて
「何だってお金で買える、金が全てと思うホリエモン」と要約されている
エジプトの人たちでなくアメリカやヨーロッパの国の人でもしあったなら
人間の命に軽重はないという 言葉だけならそれは言えるね
死者、行方不明者数百人に及ぶという BS7のみの放送
「アル・サラーム98号」紅海に燃えて沈んで多数の行方不明者
今夜には雪降るという東京の和光の時計が指す11時
肉球の跡点々と雪の中 ドン氏と呼ばれる猫の足跡
階層が固定してゆく社会から弾き出された泥球一つ
九月には辞めると言った総理はその時から炉心溶解始まる高炉
死に体はともかくレイムダックって差別用語にならないのかしら
粛清の嵐が吹くのでございましょう 峡谷に水凍えるように
遥かなるミトコンドリアDNA 春は優しく光りをつなぐ
純粋な培養液の中に棲む諸行無常を培う因子
何ゆえになぜ尊いかの議論なく尊いゆえに尊きとして
血に頼り血を尊いとしてつなぐ十六花弁の菊の紋章
少子化の悩み等しく覆うから断絶の危機そこにあるから
終焉は薔薇の垣根の向こうにも春の朧のような空にも
急がなければならない時が来ています既に終りが始まっている
日本にとって貴方が何なのか時に考えてみたい時がある
複雑な縫合線が美しいアモンの神の鹿の角笛
始まりは雌雄同体 七千年前にっぽんは海の水底
男系の場合父方を辿ってゆけば天皇に至るという。アンモナイトよ
国体に関わると言い国体の護持と言い国体とは単にただ唯一の
ここにまた「国体」の二文字現れて 終戦を遅らせた時に似て
男系を選んでみたとしてそれでいったい何代続くのだろう
その真偽 詳しく問えば何かしら整合性を欠くこともあれ
万世が一系というそのことの何が尊く またはそうでなく
南北朝時代は知らずそののちもその前にもある空白の時
天皇のルーツ辿って辿り過ぎ 分岐地点で有耶無耶となり
旧宮家の皇籍復帰をするべきと 宮家経費の膨張私案
血の系譜 どの血の系譜 男系の女系の 天皇とは何
明日の日の約束の無い偶然に頼って生きてのちの千年
その他にいったい何が そのことを皇祖の御霊告げているかに
「国民に愛され続ける天皇家」必要にして十分?条件
危機感がそうさせたのかもしれなくて こののちのこと次の世のこと
この国の安らけきこととこしえにと代る人なく祈りを捧げ
三殿の祭りに最も熱心な天皇であり皇后であり
古稀すぎてハードな日々を送られる天皇、皇后の長い歳月
天皇と皇后陛下のおつとめの宮中三殿参拝のこと
天皇といえば昭和であったころ生まれて美空ひばりも聴いて
天皇の即位を御大典と呼ぶ記念の百年ほど前の古冊子
東禅寺山門に降る春の雪 「立春大吉」降る雪の寺
突然に曇る空から降るみぞれ 霙のなかの連翹の花
春鹿が水を飲みに来る行者川 その川沿いの山葵田の春
樅の木の森があったね山梨のおじいさんが育てた西の平に
約束の時間はすでに過ぎたのに森はめざめの時を忘れて
水流れ林に雪が降り積もり 落葉の上に新雪積もり
分身の術かもしれない正体は 等圧線がぎっしり埋めて
風間祥  * 『今年の歌(2006年)』 * 15:46 * comments(0) * trackbacks(0)

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