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『類人鳥』 /蝦名泰洋×野樹かずみ

  












2013年5月1日発行
著者: 蝦名泰洋 野樹かずみ
定価: 1000円(送料込み)



歌が成熟すること。
歌人が成熟すること。

処女作が一番いいとはよく言われることで、
だんだんマンネリに陥るものと、
映画でも小説でも詩でも、
しばしばそういう感想を持つが、
書き続けることの意味もあるのだと、
この歌集を読んで思った。

言葉が磨かれて、
生きた言葉として、心に入ってくるまでには、
時間が要るのだと思った。

1992年から幾つかの章があるが、
そしてどの章にもきらめく歌はあるが、
2013年1月15日起首、満尾3月22日の
「キラル アキラル」
一番新しく書かれた章がいい。
最も溌溂と新鮮な光を放ち、
二人の歌人の生きた時間が無駄になっていない。
現在があるから過去に値打ちがあり、
過去があるから現在に価値がある。


かつてカミュが生き、カフカが生きた世界。
芥川龍之介が生き、寺山修司が生きた世界。
不条理な世界。
言葉を肌身離さぬ武器のように携えた戦士のような二人の戦いは、
これからも続く。

・はね橋の近くの画家は待っている見えないものが渡りきるのを  泰洋
・十字架の影であったとふと気づく空飛ぶ鳥も飛べない鳥も  かずみ
・あの角を曲がればきっと家に着くそう思わずに生きられますか  泰洋
・赤錆びし鉄路でつながれいるゆえにふいに愛おし他人の故郷  かずみ
・まっすぐに私を見なくなったのは私が汚れたせいかも知れぬ 泰洋
・耳の中に深い夜あり歯車のような地球が回りつづける  かずみ

          短歌両吟『類人鳥』全6巻より  アトランダムに抜粋
  
風間祥  * 『歌集、歌書、歌誌、その他書評』 * 09:36 * comments(2) * trackbacks(0)

コメント

紹介ありがとうございます。たいへんうれしく。
Comment by 野樹 @ 2013/05/11 8:27 PM
素敵なコラボレーションですね。
本の作り方、定価の付け方も含めて、
いいなと思います。
Comment by @ 2013/05/11 9:04 PM
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