銀河最終便
WEB日記

歌集『21世紀君はしあはせか』/田村富夫第二歌集                 














発行所 現代短歌社
収録歌数 700首
定価2800円(2633円+税)


・町廃れ自転車を駆る老いの坂上りゆらゆらどこへ行くやら

・よそ事を思ふ一瞬大腿骨骨折る油断に見舞はる、不覚な

・目の前に家のガレージ立つものの五センチの距離手の届かずな

・福山ゆ迂回して入る尾道のホテルの窓に海は展けて

・尾道に文人墨客刻む文字辿れば寺・坂・海・島の街

・造船所の銅を溶かしたやうな火と「暗夜行路」は映る灯に触れ

・倒れしも逝きしも突如川崎の病院の報、令状のやう

・ダンボール住まひに通ふ部屋に住み塵芥に埋もるる貯蓄(そなへ)、息のむ

・中秋の満月いづこも発光ダイオード二十一世紀君はしあはせか

・乗客は一瞬凍りヒロシマを目に焼きつけて車両動きぬ

・そしてまた一月が来て月日めぐりバラが咲いたり雪が降つたり


巻末に、ヴァレリー、サルトルなどへの思索の跡をたどる
「文学と世界を過(よ)ぎる窓」(P314〜P363)がある。
文学とは何か、人生とは何か、絶えず考え続け問い続けた
思惟の足跡が記されている。
: 『歌集、歌書、歌誌、その他書評』 : comments(0) : trackbacks(0) : posted by 風間祥  :
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