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甲州百目

 

甲州百目

                
山峡の畑に咲いた馬鈴薯の花に雨降る夏が来ている

じゃがいもの花咲く花に雨降れば雀来ている雀のお宿

山里の斜面を夕日つつむ頃 馬鈴薯の花零れる畑

穿たれて畑の土はならされてじゃがいも畑に陽の射す時間

石榴咲き朱の花を抱く木があって夏蝶・光りの薄羽蜻蛉

「甲州百目」烏が好んで食べるから一つ残して 夕陽の梢

柿の木を扱う商人やって来てゴルフのクラブにするという話

二百年、樹は身を太らせて実を届け 本日伐採される木となる

白々と長い尾を引き流れたよ シリウスよりも明るい星が

傾いた道標なら見たけれど、深谷へ行く岨道だった霧が深くて


               『玲瓏』91号 

祥  * 『「玲瓏」他歌誌提出自作品』 * 04:15 * comments(0) * trackbacks(0)

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