銀河最終便
WEB日記

水村美苗さんの講演会 「漱石と日本と日本語と日本文学」                 
昨日、横浜の中華街の駅で降りて、坂の上の神奈川近代文学館に行って来た。
芥川も森茉莉も、好きな作家はみんな死んでしまっていて、
生きて会うことは出来なかったが、
水村美苗さんは、現存の作家だから、
初めて生きて会える(見る)ことのできる憧れの作家ということになる。

講演は2時から始まって何時までだったか、時間を見なかったが、
講演が一通り終わってからの質問コーナーで、
答えている水村美苗さんが面白かった。

結構早口で、時々どもり気味になりながら、
時々、大笑いもしながら、質問に答えていた。



帰りに、「100年目の漱石」ということで、
展示室に漱石の軌跡を追った展示品があるというので寄ってみた。

まず最初に、入口を入ったところで、驚いてしまった。
家の書棚がある。三段式の100年ほど前のものだが、
現役で私が使っている。
我が家で見たほかに、どこでも見たことのない古い形式のものだ。
漱石山房を再現した部屋。
愛用の火鉢や、紫檀の机、硯などと一緒に、
漱石の座った背後に置かれていたらしい。
漱石は、その書棚の他にも沢山の書棚を使っていたということで、
パンフレットに映っているのは、他のデザインのものだ。
家のと同じのは、双子のように似ているが、
漱石山房の方が、少し材質が柔らかい感じで、我が家の方が堅い材質だ。
そして我が家のは洋風で、漱石山房のは和風だ。
にも関わらず、そっくりと感じるほど本当によく似ている。
兄弟に会ったように懐かしい気がしたから、
それが映っていたら買おうかなと思ったけど、
他の写真は沢山映っているのに、
最初の展示室の漱石山房の居室の写真だけがなかった。
漱石が座っている居室の写真もあるが、それは展示室の清閑なものでなく、
雑然とした山積みの本と一緒のものだった。
もしかしたら特別展と常設のもので分けているのだろうか。
漱石山房のあのコーナーだけはいつもあるのかもしれない。
私は、神奈川近代文学館は初めてだったからわからないが。



それから中へ入って行くと、原稿用紙や初版本や絵もあった。
漱石は絵がとても上手だ。
昔の文人というのは、本当に博識で、
小説のひらめきや思いつきも英語で書いてあったり、
(英語で考えていたのだろうか。)
正岡子規ほか、知人との手紙のやりとりも頻繫だったようだ。
漱石の字は、向かって左へ流れる癖があったんだね、とも思った。
生い立ち、家族、兄弟のことが最初の方にあったが、
若く亡くなった長兄という人の写真が、森鷗外の写真に似ていた。



漱石は、明治の日本が幸運にも得た奇跡だと、
水村美苗さんは言っていたが、
私はあまり漱石を読んだことが無いからわからない。
「夢十夜」の一節が飾ってあって、
「100年待つ」なんて、ロマンチストだったんだな、と思った。

 
: 『読書/単行本・新書』 : comments(0) : trackbacks(0) : posted by 風間祥  :
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