<< 新 花へんろ 〜風の昭和日記〜その一・その二、その三・その四 / BSプレミアムカフェ | main | 岩合さんの猫のテレビを視ています。毎日視ている。毎日楽しい。 >>

辻邦生さんと水村美苗さんの『手紙、栞を添えて』の中の一節

水村美苗

「外国語で本を読むということの意味━━。

それを理解したのは、日本に戻り、

見渡す限りが日本語にうめつくされた中に

身をおいた時です。

日本語以外の言葉に接するということが、

いかに精神を癒してくれるか。

中略

かならずしも外国語である必要はない。

今ここに流通する言葉との距離さえあればいい。

古典でもいい(事実、荷風は江戸の人情本は読み続けている)。

もっとも根源的には、孤立した人間の言葉ならいいのです。

一九九七年一月十二日

 

 

辻邦生

「こうした言葉の氾濫は、

その中にいると、まったく感じられない。

その暴力性も、閉塞性も、一度日本の外に出てみると、

はじめて、目も口もふさがれ、

一億一心で同じことを言っていたのだと気づきます。

中略

一人で考え、感じていたと思っていても、

それは、集合的な日本人の心性・習性を

ただなぞっていたにすぎなかった━━

そう思ったとき、そのマユのようなものは

飛び散りました。」

一九九七年一月十九日

風間祥  * 『時事』 * 12:49 * - * -
このページの先頭へ