銀河最終便
WEB日記

  木は空洞に        『玲瓏』 99号                 

  木は空洞に      

    

          

翡翠色の蛙、雨上がりの光、きらめく水滴、まだ正午前

 

井戸のある商店街っていいよね 荻窪、井戸のある散歩道

 

ぞうさんの赤い如雨露で水遊び 二歳の春に降る光あり

 

湾岸の春の水尾ひく船影に手を振っている人のいる桟橋

 

満月の夜の温泉、月煌々 薔薇風呂に薔薇浮かべるテルメ

 

かりそめに生きている気もしないでもない 紫紺の尾根に沈む陽見れば

 

陽が燦々、光燦々降る島の春がきらめく大橋渡る

 

東京の空を我が物顔で飛ぶプロペラを持った重い輸送機 

 

ニヒリズムと美意識が合体すると死に至る 西部邁さんの自裁も

 

空しきは空しきままに生きていよ 木は空洞に風を入れつつ

 

 

                  『玲瓏』99号 2019年2月28日発行

: 『「玲瓏」他歌誌提出自作品』 : - : - : posted by 風間祥  :
<< NEW : TOP : OLD>>